高い耐火性

ツーバイフォー工法はその構造により、火の回りを遅延化したりもらい火にも強い防火性も持ち合わせています。
なぜ火に強いのかを紹介します。

高い耐火性を叶える4つのポイント

木造住宅は火に強い

木材は鉄骨などに比べて燃えやすいと思われがちですが、木材は、燃えると表面に炭化層が形成され、火が内部までなかなか通らず、火災の進行を遅らせます。このため木材は強度が低下しにくいのです。

一方、鉄骨の耐火温度は約500℃でこの温度を超えてしまうと一気に鉄が溶け出しやわらかくなって変形してしまい、住宅全体が崩れ落ちることもあります。通常、火災では700℃~950℃程度の高温にまで達するといわれています。火災においては強度が低下しづらい木造は安全性に優れているといえます。

さらに、ツーバイフォー工法では縦5.08cm×横10.16cmの木材を使用しています。
木造住宅であってもこれほど厚みがあると、たとえ木材が燃えてしまっても表面が炭化層をつくるだけで内部にまで炎が進行せず、長時間強度を保つことができます

ファイヤーストップ構造で火の回りを遅延化

火は床下や壁の裏側、天井裏など空気の通り道に沿って燃え広がります。

ツーバイフォー工法の内部構造は、床・壁・屋根がそれぞれ枠組み材と構造用面材で作られたパネルを組み立てて形成されているため各部屋が独立した空間になっています。

枠組み材などがファイアーストップ材となり、各空間が防火区画として機能するため、もし室内で火災が発生しても空気の流れを遮断し、上階への燃え広がりを防止します。

石膏ボードの水蒸気で発火点を遅延化

ツーバイフォー工法では通常、各部屋の壁や天井の内側全面に厚さ12.5mm以上の石膏ボードを貼ります。石膏ボードの中には約21%の結晶水が含まれていて、炎があたると熱分解を起こし、約20分間水蒸気を発散し続けます。これにより、火災が発生しても天井裏や壁の内部の温度が上昇しにくく、構造材が発火点(約260℃)に達するまでの時間を大きく遅らせることができます。

省令準耐火構造で火災保険も安くなる

ツーバイフォー工法は建築基準法で省令準耐火構造で建設をすることができます。省令準耐火構造とは建築基準法の準耐火構造に準ずる防火性能を持つ構造として、住宅金融支援機構の基準に適合する住宅をさします。

戸建て住宅の場合、耐火性能の高いT構造(耐火)と低いH構造(非耐火)に分類されます。本来、木造住宅はH構造(非耐火)に含まれますが、ツーバイフォーは木造住宅でありながら高い防火性をもつ「省令準耐火構造」に分類されます。

このようにツーバイフォー工法の住宅は火災に強いことから火災保険が大きく減額され、火災保険の費用が鉄筋コンクリート、鉄骨の戸建住宅と同等の金額となります。